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「博士の愛した数式」小川洋子

博士の愛した数式
小川 洋子 / / 新潮社
ISBN : 4101215235
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偶然、近くの教保文庫で見つけて買いました。
ベストセラーだったんですよね、確か。映画にもなったそうで、気になっていた本だったので迷わず買ってしまいました。

私は数学が苦手です。
実生活には足し算、引き算、掛け算、割り算、これだけが出来れば、とりあえず困ることは無いのに、どうして√だとか、x、yなど、ほとんど使うことが無いであろうことを学ばなければならないのだろうと思っていました。

ところがこの小説の主人公の「私」と同じように、記憶に不便を抱えている「博士」の、数学に対する愛情を垣間見ると、その苦手意識が薄れていき、
「神は存在する。なぜなら数学が無矛盾だから。」
と言う気持ちになっていきます(笑)

そして、素数、完全数、友愛数、双子素数などの言葉にとても魅了されました。
漢字を使っている日本人は、とてもネーミングのセンスがいいと思います。
普段韓国語に多く接していますが、とにかく漢字が無いので意味を理解することがとても不便だし、新しい言葉を作ることがとても難しい言語のようで、新しい言葉にセンスがありません(;;)
その言葉の元の言語ではどのように表されているのか分かりませんが、その言葉だけで数学がとても身近に感じられ、取っ付きにくいと自分で思い込んでいるだけで、本当は数学は美しく、ロマンのあるなのかもしれませんね。

読んでいて、とても気に入ったので一気に読み終えてしまうのが勿体無くて、ちょっとづつ、ちょっとづつ読んでいましたが、とうとう読みきってしまいました。
そして、最後の方では、涙が溢れてしまいました。
ジンと来て、しみじみする小説でした。

大きな事件が起きるわけでもないし、最後にどんでん返しがあるわけでもない、どちらかと言えば淡々と物語は進んでいきますが、とても良い小説でした。

数学を見直そうかと、そう思いました(笑)
今度は計算機を片手に読み直そうかな?(^^)
by ayamama-de2 | 2007-06-21 12:16 |