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「氷壁」読み終わりました。

NHKドラマの「氷壁」を見てどうも物足りなくなり、井上靖著の原作「氷壁」を読みました。
ドラマと登場人物の名前が違っていましたが、その他の設定はほとんど同じでした。
また、非常に読みやすかったです。

私は読書をするのが好きでしたが、よく考えたら、いわゆる日本の名作と言うのはきちんと読んできていなかったように思います。
特に、TVドラマや映画化された作品をどれだけ読んで来ただろうかと思った時に、ほとんど思いつきません。
と言う事で、この「氷壁」は、私にとっては初めて日本の昭和の名作を読んだと言えると思います。

ドラマとの違い云々と言うよりも、魚津(ドラマでは奥寺)を始め、登場人物たちの心の動きがとても分かりやすく描かれている事に驚きました。
また、非常に読みやすい日本語でした。
いわゆる、心にすうっと入ってくる日本語と言いましょうか?
井上靖の作品は、みんなそうなのでしょうか?
大昔、「あすなろ物語」を読まされたような気がするのですが、その時はあまり面白くなかったような気がするのですが、正直、よく覚えていません。

小坂(ドラマでは北沢)の死の直後、魚津の行動と心の動きを読みながら涙を流しました。また、魚津の矢代美那子に対する気持ちを整理しようと決意するところなど、今では考えられないほど潔いと言うか、清いと言うか、そういうところが昭和30年代だなと思いましたが、私も昭和生まれなので(笑)そんなに違和感無かったと言うか、反って非常に好感を持てました。

読み終わってしまうことが残念に思えて、読んでいる事事態が楽しいと思える小説は、そう、あまり無いのですが、この作品はまさにそういった小説でした。

ドラマはやっぱり今風にアレンジされているな、と思いますが、原作と底辺で流れている男と男の友情は同じであると思えます。
ドラマを見て、原作が読みたいと思ったのはこれが初めてなのですが、原作を読んだので、もう一度ドラマを見直したいです。
最初ドラマを見たときには、(読んでもいない)原作に縛られて見ていましたが、もう、原作を読んでいるので、そういった見方をする必要がなくなりましたから、純粋にドラマを楽しめるように思えます。

本が厚いと敬遠されている方、本当に読みやすく、美しい日本語で書かれていますので、是非、読んでいただけたらと思います。

あ、玉木君、ありがとう。おかげで良い本を読ませてもらいました。
次もよろしくね(笑)
by ayamama-de2 | 2007-01-11 20:19 |